2025年7月13日、東京・高田馬場において、「不登校や特性のある子どもの困難さを支えるマインドフルネス講座」を開催いたしました。
本講座は、青少年のためのマインドフルネスプロジェクトCAMP様のご発案により、フリースクールDE-SCHOOL様のご協力を得て、International Mindfulness Center JAPAN(IMCJ)も参画する形で実現いたしました。
当日は、不登校や発達特性のある子どもたちの支援に関心をお持ちの保護者、教育関係者、フリースクール運営者、教員など、約30名の方々にご参加いただきました。
「どのようにサポートしたらよいのか」「何をしてあげられるのかを知りたい」といった切実な課題意識を共有しながら、真剣かつ温かな雰囲気の中で進行しました。
【講座概要】
本講座では、マインドフルネスを単なる技法として伝えるのではなく、日常の支援や子育ての中でどのように活かすことができるかを重視し、以下の内容を中心に実施しました。
- マインドフルネス体験
「携帯電話の瞑想」を通じ、日常の無意識的な「自動操縦」を体験的に理解するワークを行いました。 - スノードームを用いたメタファー
スノードームのラメが舞い沈む様子を、感情の波立ちのメタファーとして扱い、「揺れを止めようとせず見守る」「落ち着くまで時間が必要」という支援者としての姿勢を共有しました。 - 呼吸を使ったマインドフルネス瞑想
短時間でも実践し、「今ここ」に戻る感覚を体験。アンカー(錨)やホームベースといった概念を紹介し、日常で活用できる具体的な方法を学びました。 - スクイーズを活用した実践
手作りのスクイーズを用い、触覚を通じて「今ここ」に意識を戻す体験を提供。参加者からは「家庭でも使えそう」といった実践的な感想をいただきました。 - トラウマセンシティブ・マインドフルネスの視点
「耐性の窓(Window of Tolerance)」の概念を紹介し、過覚醒・低覚醒といった状態を理解し、子どもや自身の状態を観察する重要性を共有しました。
【当事者の声の共有】
本講座では、IMCJ講師の一人である若者が、自身の特性を背景に持つ当事者として、子ども時代の体験を率直に語りました。
「落ち着けと言われても無理だった」「マインドフルネスを押し付けられるのが嫌だった」といったリアルな声に、参加者の方々も深い共感を示されていました。
同時に「手の届くところにマインドフルネスがある」と気づいたことで、自ら試すことができるようになったという経験も共有し、支援者側が「子どもを変える」のではなく、「子どもが自分で選べる環境を整える」ことの大切さを改めて学ぶ時間となりました。
【マインドフルネスを伝える3つのレベル】
IMCJからは、マインドフルネスを伝える際の「3つのレベル」について以下のように説明を行いました。
1️⃣ プログラムとして体系的に教える
呼吸瞑想やボディスキャンなどを、8週間コースや講座形式で学ぶ。
2️⃣ 日常の支援場面で取り入れる
教室や家庭、カウンセリング場面などで、短い呼吸や感覚への気づきをその場で使う。
3️⃣ 支援者自身が実践する
支援する大人自身がマインドフルネスを日常に取り入れ、自分が落ち着いていることで子どもに安心を提供する。
参加者からは「どれから始めればいいのか」「子どもがやりたがらない場合はどうするか」といった具体的な質問もあり、
「大人自身がまず試してみる」「押し付けず、子どもが『やってみようかな』と思える環境を整える」など、現場で活かせる視点を共有しました。
【主催・協力団体について】
本講座は、以下の団体の協働により開催されました。
- 青少年のためのマインドフルネスプロジェクト CAMP
子どもや若者を対象にマインドフルネスを広め、現場に寄り添った実践を行うプロジェクト。
Instagram:https://www.instagram.com/camp.mindfulness/ - DE-SCHOOL
不登校や特性のある子どもたちが「自分らしく学ぶ」ための選択肢を提供するフリースクール。
テクノロジーを活用し、子ども一人ひとりの関心や特性を尊重した学びを支援。
note記事:https://note.com/deschool/n/n2a6d16f78b2a - International Mindfulness Center JAPAN(IMCJ)
医療、教育、心理支援などの分野で、8週間コース、ワークショップ、専門家向けの講師養成など、幅広いマインドフルネス実践を提供。
本講座を通じて、「子どもを変える」前に「大人自身が今ここに戻る」という大切な視点を参加者の皆様と共有することができました。
今後もIMCJでは、支援者や保護者の皆様と共に学びを深める場を提供してまいります。